爪水虫に特化した治療法
通常、爪白癬の治療には「抗真菌薬」と呼ばれる薬剤が使用されます。現在、この抗真菌薬には「内服タイプ」と「外用タイプ」の2種類がありますが、水虫患者の約7割が、この治療を受けることによって完治するとされています。
白癬菌が爪の中で繁殖してしまっているしつこい爪水虫では、従来から行われていた塗り薬(外用薬)による治療では、クリームなどに含まれる有効成分が浸透しにくく、治療が思うように進まないことが多かったようですが、最近、新たな飲み薬が開発されたことで、皮膚科における爪白癬治療は内服薬治療へと移行していて、完治率も非常に高くなったのです。
従来の主な抗真菌薬はグリセオフルビンで 作用は白癬菌の繁殖(発育)を抑えるものでしたが、近年の主な抗真菌薬はイトラコナゾール(イトリゾール)やテルビナフィン(ラミシール)で白癬菌を死滅させる作用となっています。
こうして飲み薬を中心とした治療が試みられますが、他にも新しい治療法として「パルス療法」も登場しています。パルス療法とは、一定期間集中して薬を飲み続けた後で、数週間服用を止めるというサイクルを3サイクル程度繰り返す方法で、この治療法に用いられる抗真菌薬(イトリゾール)が、爪の奥深くに潜んでいる真菌に届きやすいために可能となっています。
結果、毎日定期的に薬を飲み続ける必要がなくなり、水虫患者の負担を軽減する治療法ともされています。ちなみに、パルス療法の抗真菌薬は白癬菌に対する殺菌効果が高いのですが、副作用の危険も増すので、必ず専門医の指導に従って治療することになります。